整理収納アドバイザーで防災収納インストラクターでもある私は、鹿児島県の離島・奄美大島で生まれ育ちました。幼い頃に台風で屋根が飛んだ経験があり、子育てが始まってからその時の状況を改めて聞いたことで、防災への向き合い方が大きく変わりました。
その後、転勤や引っ越しを重ね、現在は山口県の賃貸古民家で暮らしています。この家では、2024~2026年線状降水帯の発生により、3年間のうちに2度の床上浸水を経験しました。その体験から強く感じた、備蓄を家の数箇所に分けて備える「分散収納」という収納方法の大切さをお伝えします。
備蓄は「まとめて置く」が正解だと思っていた
以前の私は、食品の備蓄はキッチンにまとめて置くのが一番だと思っていました。 「あそこに行けば食べ物・飲み物がある」「消費期限の管理が一か所で済む」ため、家族も探しやすく効率的だからです。
押し入れや納戸、外の倉庫にまとめて置く方も多いと思います。 備蓄をしているだけで本当に素晴らしいことなのですが、 一度「まとめて置く」という固定概念を外してみると、災害時に備蓄をしっかり活かせる安心につながります。

当たり前に使えるはずの場所が一瞬で“アクセス不能”に
なぜ分散収納が必要なのか。 その理由は、水害が起きると普段使える場所が一瞬で使えなくなるからです。
私が床上浸水にあったのは、古民家の構造上、低く造られていた玄関とキッチンでした。 キッチンはわずか数センチの浸水だったにも関わらず、水が入ってきた瞬間から、生活は想像以上に非日常になります。
- 停電で冷蔵庫や電子レンジが使えない
- 床に浸水した水で、低い位置の引き出しを開けられない
- 足元が汚れるため、キッチンに立ち入ることすら難しい
- 小さなお子さんがいる家庭なら、さらに動きづらい
「すぐそこに食料や水があるのに、取りに行けない」 そんな状況が本当に起こるのです。
また、水圧や物の位置によって、押し入れや納戸の扉が開かなくなることもあります。 まとめて備蓄していること自体がリスクになると身をもって感じました。

防災備蓄の分散収納が“安心を増やす”理由
床上浸水は、1度目は真夜中、2度目は早朝という、寝ている時間に突然やってきました。 気づいた時には庭が池のようになり、土のうも間に合わず、すでに玄関に水が入っていたのです。
だからこそ、前もった備えが大切だと痛感しました。私は幸いにも防災収納インストラクターとして学び始めていたため、 水・食料・トイレ・灯りなどの備蓄を2階にも分散収納していました。そのおかげで、家族の身の安全を守ることだけに集中できました。こどもたちに「大切な物だけ持って2階に避難すれば大丈夫だよ」と落ち着いて伝えられたのも、分散収納のおかげだったと思います。
わが家では次のように分散収納を行っていました。
- 賞味期限1年以内の食品はキッチン(ローリングストック)
- 長期保存の防災食は2階を中心に分散
- 水害リスクが高いため、2階に水や簡易トイレを多めに配置
- 各部屋に小さな備蓄セット(水・食料・トイレなど)




暮らしになじむ“分散収納アイテム”という選択
収納スペースが限られている方には、SONAENOの額縁フレームのように「暮らしになじませて置く」収納もおすすめです。

わが家も非常用トイレのストックがトイレ収納に収まらず困っていたため、額縁フレームをお試しさせていただきました。

非常用トイレだけでなく、閉じ込められた時のための食料なども袋に入れて収納しています。インテリアに馴染みながら、いざという時に助かるアイテムは、非常時の張りつめた気持ちを少し和らげてくれる存在にもなりそうです。
備蓄は“少し分ける”だけで安心が増える
全国どこでも線状降水帯が発生し、「これまで水害に合わなかったから」という経験だけでは予測できない災害が起こっています。
すでに備蓄をまとめて置いている方も、中身を少し分けてみるだけで、安心がぐっと増えます。今日からできる小さな備えとして、まずはひとつだけでも「分けて置く」ことから始めてみてくださいね。


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