2026.08.27 熊本地震で確信した「防災収納」3つの柱 | 松永 りえ

災害時、「着替え」がないことがこんなに困る。

防災というと、食料や水、モバイルバッテリー、簡易トイレなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。では、「着替え」は準備していますか?

実は、災害時の衣類は、必要だと感じながらも後回しにされやすい防災アイテムのひとつです。SONAENOの「持ち歩ける防災ワンピース」は、そんな災害時の”衣類”にまつわる困りごとに目を向けるところから企画が始まりました。

目次

災害時、「着替えがない」ことが大きな負担になる

一般女性向けの防災服の開発に向けた研究では、被災地での現地調査や、東日本大震災で被災した女性へのアンケート、被災経験者への聞き取りなどから、災害時の衣類にまつわる問題がまとめられています。中でも目立つのが、次のような問題です。

  • 着の身着のままで避難し、何日も同じ服を着続ける
  • 着替えや下着が手に入らない
  • 入浴や洗濯ができず、清潔を保ちにくい
  • 着替えや授乳のためのスペースがなく、プライバシーを確保できない

普段は当たり前のようにできている「着替える」という行為。しかし、ひとたび災害が起こると、その当たり前が難しくなります。避難生活が長引けば、衣類の問題は単なる「不便」では済まなくなることもあります。

「着替えの衣類がなく辛かった」

この研究では、東日本大震災で被災した宮城県の女性へのアンケート(特定非営利活動法人イコールネット仙台による調査)から、避難所生活についてのリアルな声が紹介されています。

同じ調査では、避難所での生活に不安を感じたことへの回答のうち、約1割が「着替えや授乳するスペースが確保されていない」ことを挙げています。仕切りのない避難所では、布団の中で着替えるしかなかったという報告もあります。

災害時には、食べること、飲むこと、眠ることだけでなく、「清潔に過ごす」「体を休める」「人目を気にせず着替える」といった、日常では当たり前のことにも大きな負担が生じます。

それでも、衣類の備蓄は後回しになりがち

同じ研究で、大規模災害を経験していない成人女性132名に行ったアンケートでは、防災用品を備えている人は55%いた一方、衣類を備えている人はわずか7%でした。しかも、その多くは下着の替えだけだったといいます。

また、衣類を公的に備蓄している自治体は、全国の約4割にとどまるという報告もあり、避難所で着替えが配られるとは限りません。

「それなら、防災リュックに着替えを入れておけばいい」と思うかもしれません。ところが、衣類の備蓄にはこんな悩みがあります。

かさばる

Tシャツやズボン、下着などを入れると、意外と大きなスペースが必要になります。容量の限られた防災リュックでは、食料や水、衛生用品などが優先され、衣類は後回しになりがちです。

管理が面倒

「とりあえず入れておこう」と思っても、季節が変われば必要な衣類も変わります。サイズや状態の確認、入れ替えなど、継続的な管理も必要です。

圧縮収納が大変

コンパクトにするために圧縮袋を使う方法もありますが、衣類をまとめて圧縮し、入れ替える作業は意外と手間がかかります。「着替えを入れた方がいいとはわかっているけれど、つい後回しに…」という方も多いのではないでしょうか。

「古い服」で代用してしまう

「防災用に新しく用意するのはもったいないから、着なくなった服を入れておこう」という備え方もあるでしょう。もちろん、何もないよりは備えになります。でも、災害時だからこそ、汗やニオイ、着替えやすさ、プライバシーなどに配慮された衣類があれば、避難生活の負担を少しでも減らせるのではないでしょうか。

だから考えた、「持ち歩ける防災服」

先ほどのアンケートでは、一般向けの防災服があったら「欲しい」と答えた人が6割を超えていました。一方で、「普段持ち歩けない」「どんな場面で必要なのかわからない」という声もありました。

こうした実態を知る中で、私たちは「災害時のために、もっと持ち運びやすく、使いやすい衣類があったら?」と考えました。そこで企画したのが、SONAENOの「持ち歩ける防災ワンピース」です。

目指したのは、ただ「防災用の服」をつくることではありません。防災リュックに入れやすく、必要なときにサッと取り出せる。避難先での着替えや、寝るときの服として使える。そして、もしものときだけでなく、普段のお出かけや旅行にも持ち歩きたくなる。そんな、「もしものために備えながら、いつもの暮らしにもなじむ衣類」を目指しました。

困りごとに応える、防災ワンピースの工夫

防災ワンピースは、避難所生活での困りごとを次のように解決します。

避難所生活の困りごとSONAENO防災ワンピースの工夫
着替える場所がないゆったりとしたストレッチ素材&ロング丈のワンピースで、服の中で着替えたり体を拭いたりできる
プライバシーを確保しにくい大きなフードで顔まわりを覆える
入浴や洗濯ができず、汗やニオイが気になる抗菌防臭・吸水速乾素材を採用
体を休められる服がない普段はリラックスウェアとしても着られる
衣類はかさばるフードに収納すれば、コンパクトに持ち運べる

一般社団法人 防災安全協会の「防災製品等推奨品マーク」も取得しています。

防災は、「食べる・飲む」だけではありません

災害への備えというと、水や食料など「命を守るために必要なもの」がまず思い浮かびます。もちろん、それらはとても大切です。

でも、避難生活が長引いたときには、「何を着るか」「どうやって着替えるか」「どうやって体を休めるか」ということも、毎日の暮らしに大きく関わってきます。特に女性の場合、着替えや授乳、生理など、避難所では配慮されにくい問題もあります。だからこそ私たちは、「衣類」という視点から防災を考えることにしました。

避難所での着替えの工夫については、避難所で着替えはどうする?人目が気になるときのプライバシー対策でも詳しく紹介しています。

あなたの「衣類の備え」は、大丈夫ですか?

最後に、ぜひ一度、ご自宅の防災用品を確認してみてください。

  • 着替えは入っていますか?
  • 何日分ありますか?
  • 夏の暑い時期や冬の寒い時期にも使えますか?
  • 避難先で、人目を気にせず着替えられますか?
  • 寝るときに、体を休められる服はありますか?

防災は、特別なことを始めることだけではありません。普段の暮らしを振り返り、「もし明日、いつもの生活ができなくなったら?」と考えることも、大切な備えのひとつです。この機会に、食料や水だけでなく、「衣類の備え」も見直してみませんか?

SONAENOはこれからも、「いつもの便利と、もしもの備え」を通して、災害への備えをもっと身近なものにしていきます。

参考文献

SONAENO
持ち歩ける防災ワンピース

被災した女性たちの声から生まれた、
 避難生活を考えてつくった、SONAENOの防災ワンピース。防災リュックに備えておけば、避難生活で役立つ一着。服の中で着替えや体を拭きやすく、人目が気になる場面にも配慮しました。抗菌防臭・吸水速乾素材を採用し、フードに収納すればコンパクトに持ち運べます。一般社団法人 防災安全協会の「防災製品等推奨品マーク」を取得済。

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この記事を書いた人

SONAENO編集部では、防災士の知見も取り入れながら、暮らしに役立つ防災情報を発信しています。

毎日の生活に無理なく取り入れられる備えのヒントを、わかりやすくご紹介します。

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